2009年1月5日大阪:無認可保育所 男児がうつぶせ寝放置で死亡
無認可保育所 男児がうつぶせ寝放置で死亡
2009年1月4日17時37分配信 産経新聞
大阪府寝屋川市の無認可保育所「くるみ保育園」で生後5カ月の男児がうつぶせ寝で脳死状態になり、昨年9月に死亡していたことが4日、分かった。寝屋川署は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査している。
両親は死亡前の昨年5月、同園に損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したが、同園側が責任を認めて謝罪し、賠償金を支払うことを条件に和解している。
同署などによると、平成19年12月に母親が男児を同園に預けた。園には女性職員が2人おり、男児がうつぶせで寝ているのに気が付いたが、仰向けにさせるなどせずに放置。その後男児の呼吸が止まったという。男児は病院に搬送されたが、その後約9カ月間脳死状態が続いていた。
同署から連絡を受けた府は、19年12月に同園への立ち入り調査を実施。その結果、世話をしていた女性職員2人がいずれも保育士の資格なく、職員の配置人数も国の基準を下回っていたことが判明した。
同月26日、府は同園に対して、文書で改善を求める通知を行った。事故が起こった当時、保育士の資格を持った園長は外出していたという。
業務上過失致死:0歳児うつぶせ死 寝屋川署、無認可保育園を捜査
大阪府寝屋川市の無認可保育園「くるみ保育園」で07年12月、生後5カ月の男児がうつぶせ寝をしていて意識不明になり、昨年9月に死亡していたことが分かった。府警寝屋川署は保育園の従業員らが、窒息の危険があるうつぶせ寝を放置した可能性があるとみて、業務上過失致死容疑で捜査している。同署の調べなどによると、男児は07年12月3日、初めて同園に預けられた。男児は昼ごろ、心肺停止状態になっているのを従業員に発見されたが、意識が戻らないまま08年9月17日に死亡した。事故当時、園内にいたのは保育士資格のない女性従業員2人だけだったとされる。
男児の両親は08年5月、「うつぶせ寝に気付きながら放置したのが事故の原因」として、園長と従業員2人を相手取り、慰謝料など約6440万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。従業員2人は訴訟で、死亡が予測できない「乳幼児突然死症候群」(SIDS)の可能性を主張したが、昨年11月、園長と従業員2人が責任を認めて謝罪し、園側が和解金約6000万円を支払うことで和解している。【川辺康広、宮地佳那子】
毎日新聞 2009年1月5日 大阪夕刊