2012年7月21日栃木:保育園 白玉窒息2歳児重体
窒息:女児、おやつの団子食べ 意識不明続く--栃木の保育園 /栃木
毎日新聞 2012年7月21日(土)12時56分配信
栃木市立「はこのもり保育園」(山中行子園長)で17日、同市の女児(2)が、おやつに出された白玉団子(直径2~2・5センチ)をのどに詰まらせて窒息した。市が20日発表した。女児は現在も意識不明のまま。
市と園によると、17日午後3時45分ごろ、おやつに白玉入りフルーツポンチを出したところ、約5分後に女児がせき込み、牛乳をはき出してぐったりした。保育士が、白玉団子1個がないのに気付き、上半身を下に向けて背中をたたくなどしたが、女児の顔色は青ざめていたという。駆け付けた救急隊員が団子を取り出したが心肺停止状態になった。搬送先の病院で午後4時35分ごろ蘇生したが、20日現在も意識は戻っていないという。
保育士はよくかんで食べるよう指示したというが、市は「本来なら小さく切って出すべきところをそのままの大きさで出してしまい、配慮が足りなかった。職員への指導を徹底する」と話し、今後は白玉団子を含めウズラの卵やミニトマト、里芋などは出さないという。園では年2回ほど、白玉団子を出す日があり、今年は1月に1回出していた。事故当時、部屋には女児を含め2歳児27人と保育士6人がいたという。【長田舞子】
口内で滑る食品危険、栃木市の保育園で2歳児重体
読売新聞(ヨミドクター)2012年 7月21日(土)12時3分配信
栃木市立はこのもり保育園(同市箱森町)で、女児(2)が白玉を喉に詰まらせて意識不明の重体になる事故があり、周囲の大人による注意や配慮が必要であることを改めて示した。
身近な食品による乳幼児の窒息事故は後を絶たず、食材の細分化はもちろん、子供から目を離さないことが求められる。白玉は冷凍製品で千葉県の食品会社が製造。これまで同製品の事故はなく、包装紙などに注意書きなどはなかった。17日、同園が果物などを加えて調理したが、白玉を細かく切るなどせず、そのままフルーツポンチとして提供。保育士らは通常通り、「よくかんで食べるように」と呼び掛けていた。
信州大学医学部の岡元和文教授によると、2歳児は歯が生えそろわず、喉が狭いうえ、のみ込む力が弱い。口に入るが喉を通らない2~3センチ程度の滑りやすい食品が危険と指摘する。子供は食べながら走ったり、遊んだり、横になったりし、喉に詰まらせやすいという。一方で、「色々な食べ物を食べる練習も必要で何もかも規制するわけにはいかないのでは」と話す。
1990年代以降、こんにゃく入りゼリーなどで食品の窒息死亡事故が相次ぎ、内閣府食品安全委員会は2008年5月、窒息事故防止を呼び掛ける文書を作成し、ホームページ上で公表。「食べやすい大きさにして、よくかむ」「食事の際は誰かがそばにいて注意して見ている」などが重要としているほか、喉に詰まった食品を除去する応急処置を記載している。
同市こども課によると、女児がいた2歳児クラスは当時、園児27人に対して職員が6人。監督者の人数は十分だったが、今後見守りをさらに強化する。また、ミニトマトやサトイモなど危険性の高い食品は小さくするか、献立から外すという。20日には、同園で全保護者を対象にした説明会を開いたほか、公立保育園の職員らを対象にした全4回の講習会を開催する予定。
鈴木俊美市長は「市として重大な責任を痛感している。2度とこのような事故が起きないよう再発防止に万全を期したい」と話した。(市川大輔)