2007年5月1日大阪:飛翔館高校 心臓震盪AED救助
高校野球を観戦中の救急救命士、胸に打球受け心肺停止の選手を蘇生--大阪
◇命をキャッチ
30日午前10時20分ごろ、大阪府岸和田市の私立・飛翔館高校であった春季近畿地区高校野球大会府予選の飛翔館―桜宮戦で、三回表の桜宮の攻撃中、打球が飛翔館高2年の投手(17)の左胸下を直撃した。投手は倒れ、心肺停止状態になったが、観戦していた岸和田市消防本部の救急救命士の男性(39)が心肺蘇生法を実施。救急車が到着するまでに自発呼吸が戻り、意識も戻った。投手は、約1週間の入院が必要だが、回復に向かっているという。
同消防本部などによると、打球が投手の胸を直撃すると、投手がマウンド上でうずくまって倒れ込んだ。たまたま子供連れで観戦していた近所に住む救急救命士がマウンドに駆け寄り、心臓マッサージと人工呼吸を施した。さらに、高校備え付けの自動体外式除細動器(AED)を使って心臓に電気ショックを与え、心拍が戻ったと言う。
府高野連の伊原登理事長は「救急救命士の方がいてくれて助かった。投手の命を助けていただき、感謝しています」と話した。日本高野連は数年前から高校野球の試合が開かれる球場へのAED設置を推進しているが、AED使用で球児が助かったケースは初めてという。「毎日新聞2007年5月1日(火)」