2013年6月19日体育事故の多くは突然死
体育事故の多くは「突然死」 急がれる安全対策
ベネッセ教育情報サイト2013年6月18日(火)10時15分配信
体育事故の実態とその対策(ベネッセ教育情報サイト)
2012(平成24)年春から始まった体育授業の「武道」必修化を受け、同年7月には「学校における体育活動中の事故防止について」という報告書が、文部科学省の有識者会議にてまとめられた。保護者の体育事故への不安が高まる中、一体どのような安全対策が盛り込まれたのだろうか。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に、体育事故の実態とその対策の中身を伺った。
■12年間で重度障害が残る事故件数は590件
日本スポーツ振興センターの統計によると、1998(平成10)年度から2009(同21)年度までの12年間で、学校管理下において死亡または重度障害が残る事故が合計590件(死亡事故470件、重度障害120件)発生していることがわかりました。これを学校種ごとに学年別の割合で見ると、小学6年生、中学2年生、高校1年生で事故発生率が高くなっており、これらの学年が要注意ということがわかります。事故が起きた活動で最も多いのは、小学校が「体育の授業」で60.0%、中学校と高校が「部活動」で各58.0%、61.1%でした。
■死亡事故の多くは突然死
死亡や障害の原因を見ると、小学校は計60件のうち「突然死等」35件、「溺水(できすい)」(溺れて窒息すること)が18件などで、プールの授業で主に発生しています。また、中学校と高校では体育授業中の事故計212件のうち、80.7%に当たる171件が「突然死」でした。
このことから、小学校の死亡事故、中学校と高校体育の授業中の死亡事故の多くが、心臓疾患などに起因する突然死によるものだと言えます。
■安全教育の必要性
このため報告書には、子どもの健康診断の結果をきちんと教員が把握して、子どもの健康観察をすること、子ども自身が体調管理をするなど、自ら判断して身を守る力を育成する安全教育を行うことのほか、教員が人工呼吸や自動体外式除細動器(AED)の操作ができるようにしておくことなども安全教育の一環として挙げられています。
出典:[ベネッセ教育情報サイト]
ベネッセ教育情報サイト