2011年10月4日岐阜:幼稚園でO157か園児死亡
O157か、3歳男児死亡 各務原の幼稚園、女児2人入院
2011年10月04日10:27中日新聞
◆別の3人に症状
県は3日、各務原市内の3歳男児が溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症し、同日、死亡したと発表した。男児が通う同市の幼稚園の同じクラスの3歳と4歳の女児2人が腹痛などを訴えて男児と同じ病院に入院、この女児2人から腸管出血性大腸菌O157が検出されており、県保健医療課はO157が原因の可能性もあるとして感染源を調べている。
HUSは腸管出血性大腸菌で腎不全になると引き起こされることの多い合併症。感染源は判明しておらず、同課は「感染症と食中毒の両面で調べる」としている。死亡した男児の便からO157は検出されていない。
男児が通っていたのは各務原市那加新加納町の私立「ひよし幼稚園」(園児310人)。
同課によると男児は先月29日に腹痛や下痢の症状を訴え、各務原市内の診療所を受診。翌日は嘔吐や血便などの症状もみられ、再度受診、岐阜市内の病院に入院した。10月2日夕にHUSを発症、3日に容体が急変し死亡した。岐阜市保健所に3日、「腸管出血性大腸菌への感染が強く疑われる」として同病院から連絡が入った。
岐阜保健所が調査した結果、同じ年少児クラス(23人)の女児2人が3日に入院、別の3人が腹痛などの症状を呈していた。入院した4歳女児からはO157の毒素も検出された。岐阜保健所の指導で同園は3日、トイレや給食施設などの消毒を実施。4日から当面の間、休園する予定。4日から患者の家族や同じクラスの園児の検便などを行う。
O157での死亡例は、県内では記録の残る1999(平成11)年以降ではない。同じ腸管出血性大腸菌では8月、O145に感染した各務原市内の60代男性が死亡している。
腸管出血性大腸菌は感染から3~5日の潜伏期間をおいて発症。乳幼児や高齢者は重症化する危険性が高いという。