2010年2月26日福島:保育園1歳うつ伏せ窒息刑事告訴
刑事告訴:1歳女児死亡で両親、ラサール幼知園園長ら3人を /福島
2010年2月26日12時41分配信 毎日新聞
◇業過致死容疑で郡山署に
郡山市桑野の認可外保育施設「東北ラサール幼知園」(作田雅明園長)で1月、毛布を頭からかぶせてうつぶせに寝かされた津久井りのちゃん(当時1歳)が死亡したのは、作田園長と副園長、女性保育士の計3人が安全の注意義務を怠ったのが原因として、りのちゃんの両親が25日、業務上過失致死容疑で郡山署に刑事告訴した。
告訴したのは同市久留米の会社員、津久井利広さん(39)とれいさん(30)。告訴状などによると、1月8日正午ごろ、りのちゃんが寝かされた際、四つ折りにした大人用の毛布を頭からかぶせて放置された。約50分後、布団上のバスタオルで口がふさがれ、心肺停止状態になっているのを別の保育士が発見。りのちゃんは約2時間後に死亡した。
両親の代理人弁護士は▽うつぶせ寝は危険で、厚労省の基準でもあおむけ寝を義務付けている▽寝かせた後、顔色や呼吸を観察するなど注意義務を怠った▽重い毛布をかぶせたのは窒息を招く危険行為--などと指摘。事故後に副園長が「毛布は肩までだった」などと虚偽の説明を警察にするよう保育士らに指示したとして、「極めて悪質」と主張している。
搬送先の病院の医師の検案書では「乳幼児突然死症候群(SIDS)の疑い」による「病死」とされたが、司法解剖による死因の鑑定結果はまだ出ていない。利広さんは「原因を解明し、再発しないことを望む」と告訴の理由を語った。損害賠償の民事訴訟も起こす方針。
作田園長は「事故を防げなかった責任を痛切に感じ、両親に申し訳ない気持ちでいっばいだ。しかし、証拠隠滅などは一切していない」と話している。【坂本智尚】
2月26日朝刊