2010年5月28日広島廿日市市:くすのき幼稚園滑り台死亡事故(提訴)
くすのき幼稚園死亡事故、家族が賠償を求め提訴 – 広島
2010年5月28日中国新聞
去年、広島県廿日市市の幼稚園で、滑り台の手すりに園児の上着が引っかかり死亡した事故で、園児の家族が「安全対策を怠っていた」などとして、広島県や幼稚園にあわせて4500万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
この事故は、去年11月、広島県廿日市市にある私立の幼稚園「くすのき幼稚園」で、園児の野田かりんちゃん(当時3歳)が滑り台で遊んでいた際、上着のポンチョの一部が手すりの先端部分に引っかかり首を圧迫されて死亡したものです。17日、広島地方裁判所に訴えを起こしたのは、かりんちゃんの両親と姉の家族3人で、手すりに衣服が引っかかる危険性は一目りょう然だったのに幼稚園では安全対策をとらず、私立の幼稚園を指導する立場の県についても、国から注意を促す通達を受けていたのに対策を怠ったとして、広島県や幼稚園などにあわせて4500万円の損害賠償を求めています。
父親の野田達司さんは「安全なはずの幼稚園で、どうしてこんな事故が起きたのか、ほんとうに疑問です。問題点を明らかにして同じような事故が二度と起きないようにしたいという思いで提訴しました」と話しています。一方、広島県は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。また幼稚園では「訴状に対するコメントはできませんが、かりんちゃんのご家族には、ほんとうに申し訳なく思っています」と話しています。この事故をめぐっては、幼稚園の園長ら3人が安全管理を怠ったとして業務上過失致死の疑いで書類送検されており、検察が捜査を進めています。