2010年6月18日東京:乳児死亡訴訟で和解成立東京地裁
乳児死亡訴訟で和解成立 東京地裁
2010年6月18日14時42分配信 産経新聞
東京都板橋区の都立豊島病院(現・財団法人都保健医療公社豊島病院)の保育室で平成18年7月に生後9カ月の川村優太ちゃんが死亡したのは、保育士がうつぶせに寝かせたためだとして、両親が都などに計約6900万円の損害賠償を求めた訴訟は18日、都などが解決金4800万円を支払うなどの内容で、東京地裁(植垣勝裕裁判長)で和解が成立した。
和解条項には、この事故を教訓に、保育施設の指導監督要綱内に「乳児を寝かせる際はあおむけにすること」「睡眠中の児童の顔色などを細かく観察すること」という規定があることを双方が確認することも盛り込まれた。
訴状によると、同病院に勤務していた母、順子さん(34)=埼玉県ふじみ野市=は18年7月19日、病院内に設置されていた職員用保育室に優太ちゃんを預けたが、優太ちゃんは泣いているところを保育士にうつぶせで寝かされて死亡した。
順子さんらは、「安全配慮義務が欠けていた」などとして、19年12月に提訴した。東京地裁は今年4月、「証拠などから、都などに責任があるものと判断せざるを得ない」として、和解を勧告していた。
和解成立を受けて会見した順子さんは、「今日まで子供のことを忘れたことはない。安全に子供を預けることのできる環境を整えてもらいたい」と話した。
■東京都の中井敬三病院経営本部長の話 「引き続き、より安全で充実した保育の実現と事故の再発防止に取り組んでいきたい」