2013年2月20日山形:天童 乳児死亡(裁判続報)
天童の乳児死亡:損賠訴訟 「うつぶせ寝だった」 第一発見者、証人尋問
毎日新聞2013年2月20日(水)11時19分配信
天童市の認可外保育施設「みんなのベビーホーム」(既に閉鎖)で07年11月、生後4カ月の女児、沼沢悠妃(ゆうひ)ちゃんが死亡した問題で、遺族3人が元園長、女性保育士2人、市、県を相手取り、約4600万円の損害賠償を求めた訴訟の第4回口頭弁論が19日、山形地裁(石垣陽介裁判長)で開かれた。被告の保育士2人と共に勤務し、第一発見者となった女性保育士の証人尋問があり、同保育士は「悠妃ちゃんは顔を真下に向けうつぶせ寝だった。ひっくり返したが既に呼吸はなく、顔全体が紫色だった」と証言した。
同保育士によると、悠妃ちゃんが死亡した07年11月2日、正午ごろから約30分間、約10人が寝ていた乳児室を放置したまま職員全員が別室で食事した。午後1時20分ごろ別の保育士から乳児室を引き継ぎ、しばらくした後、同室の布団で寝ていた悠妃ちゃんの異変に気付いた。「死後1時間半は経過していたと思う」と述べた。
また同保育士は、日ごろ施設内で不適切な保育が行われていた実態を明らかにした。07年2月には県児童家庭課(当時)に虐待通報。「昼の弁当を子供の人数分そろえることや、散歩などの外出をさせる指導を要望した」と話した。
県警は10年、うつぶせ寝による窒息死の可能性が高いとして、被告の元園長、保育士2人を業務上過失致死容疑で書類送検。しかし山形地検は翌年、「突然死の可能性も捨てきれない」と不起訴処分とした。 遺族は訴訟を通じ真相解明を求めている。【鈴木健太】